顎関節症

- Temporomandibular -

顎関節症ってどんな疾患・病気?

口を開けたり、閉じたるするための関節に痛みを生じたり、口を開閉するときに音が鳴ったり、口を開けられなくなったりするなどの症状を総称とした疾患名です。

顎関節症の三大症状と顎関節症が原因の関連症状

  • 1

    顎関節の痛み

    口を開けたり、ものを噛むときに耳の前方部が痛みます。

  • 2

    開口不全

    口が開きにくい

  • 3

    顎関節雑音

    顎の関節かカクカクと音がする

関連する症状として

  • チェックマーク 頭痛
  • チェックマーク 首や肩の痛みやコリ
  • チェックマーク めまい
  • チェックマーク 顎や顔の歪み
  • チェックマーク 飲み込みづらい
  • チェックマーク 噛み合わせのズレ
  • チェックマーク 難聴
  • チェックマーク 話しづらい
  • チェックマーク 耳鳴り・耳痛
  • チェックマーク 不眠症・睡眠障害

これらの症状は顎関節症以外の病気が原因でも起こります。異常を感じたら病院にて診断を受けるか、我々の連携病院に紹介します。

顎関節症の原因

顎関節症の原因はひとつではありません。顎の関節や筋肉に無理な力が加わり続けるなどしたときに発症します。
稀にですが、顎関節の形態に異常があったり、顎関節腫瘍が原因のことがあります。

  • くいしばり/歯ぎしり

    顎の周辺や下顎に無理な強い力が加わり、関節や周囲の筋肉を痛めます。歯ぎしりをしていても、ギリギリといった音がしないことも多く気づきづらいのですが、実は多くの人が歯ぎしりをしています。また「くいしばり」は眠りが浅い時や日中に無意識にしていることもあります。歯ぎしりをしている人の中で、ギリギリなど音がなる人は4割とも言われています。

  • 歯列接触癖(TCH)

    Tooth Contacting Habit = TCH と略します。
    上下の歯を、持続的に接触している状態の癖のことです。人は何もしていないときは上下の歯は接触していない状態が平常です。唇が閉じて口がしまっていても上下の歯は触れていないのです。しかし考え事や作業中、上下の歯が接触したままになっていないでしょうか。
    この場合、顎の関節の周辺が常に緊張した状態にあり、ダメージが蓄積されてしまいます。

  • 片側で噛む癖/頬づえや姿勢などの癖

    噛み合わせの悪さ/不適合な冠(クラウン)や入れ歯

    精神的なストレス

    精神的、心因的なストレス、憂鬱、不安などが関与しているとも言われます。
    噛むための筋肉がイライラや不安などのストレスが原因で緊張状態になり、顎関節に負担がかかります。

  • その他

    スポーツや事故などによって、顎を強打したり、異常に硬い食べ物を強い力で噛んでしまった時など。

また顎関節症になりやすい病気として、
次のようなものが挙げられます。

  • チェックマーク リウマチ
  • チェックマーク 耳下腺炎
  • チェックマーク 多発性関節炎
  • チェックマーク 筋線維症
  • チェックマーク うつ病
  • チェックマーク 不眠症 など

顎関節症の種類

  • 1

    筋肉の障害により起こるタイプ

    下顎を動かしている筋肉や首、肩の筋肉の痛み・不快感を感じます。

  • 2

    関節内部の障害により起こるタイプ

    顎関節の内部で捻挫したような状態が生じていたり、クッションである関節円板がズレるなどしています。


    井ビシ歯科医院 顎関節症
  • 3

    骨の変形により起こるタイプ

    主に下アゴが変形し、周囲の炎症をともなって痛みや雑音を生じます。

顎関節症の治療

顎関節症の治療に先立ち、問診・視診・筋肉などの状態・骨や内部組織・アゴの動き、
さらに精神・心理的状態などについて調べる場合があります。
その結果、どの部分にどんな問題があるかによって治療法が選ばれます。

- 治療法 -

  • スプリント療法

    顎関節症の治療としては一般的です。
    「スプリント」と呼ばれる噛み合わせを調整できる取り外し可能な装置(マウスピース) を入れて、顎の負担軽減をします。
    スプリントは形や大きさも症状によって異なり、様々な種類が用いられます。
    素材もさまざまで「樹脂製」「ミニスプリント」「組み合わせ型」などがあります。異常な噛み合わせがあると、顎や頚椎にねじれるような力が発生し、それが全身的あるいは精神的症状として現れることもあります。
    噛み合わせをスプリントで調節することによって、身体の姿勢を正し、色々な症状を改善します。異常な噛み合わせがあると、アゴや頚椎にねじれるような力が発生し、それが全身的あるいは精神的症状として現れます。
    噛み合わせをスプリントで調節することによって、身体の姿勢を正し、色々な症状を改善します。

  • 薬物療法

    顎関節症での薬物療法は、痛みの軽減、症状の緩和のために用いられます。筋肉やじん帯の炎症による痛み止めや、筋肉の緊張を和やらげる薬などが用いられます。また、ストレスが原因の場合は、医科の病院と連携治療を行い、医科の方から、精神面に作用する薬が処方されることもあります。

  • 関節腔内洗浄

    顎関節は関節包という組織に包まれていて、その中に関節が位置しています。関節内に針を刺し、生理食塩水を入れたり、出したりを繰り返して関節腔内を洗浄をおこない、炎症性発痛物質を洗い流します。

  • 外科手術

    症状が重度の場合、関節鏡手術により、癒着部分を剥がしてて関節円板の動きを良くして痛みをとる手術を行う場合があります。

  • その他の治療方法

    患部のマッサージ、ストレッチ温熱療法、超音波低周波マッサージなどの理学療法があります。
    噛み合わせの悪さや、不適合な冠・入れ歯については、症状がある程度落ち着いてから治療を検討します。

- セルフケア -

症状改善の第一歩はセルフケアです。関節や筋に痛みがある場合は、なによりもまずアゴを安静にすることが大切です。
アゴの使用を最小限に抑え、状態を悪化させるようなことをしないことが大切です。安静にするだけで症状はすいぶん緩和されます。

  • キャラメルやガムは避ける チューインガムなどの嗜好品は、顎関節や筋肉を酷使させ、疲労や微小外傷が痛みの原因になることもあります。
    柔らかい食事を取る 普段の食生活において特に避けなければいけないのは、噛みごたえのある肉や生野菜、前歯で噛みきらなければならない硬いものなどです。ほかにも長く噛まなければならないものも避けなければいけません。
    おかゆ、うどん、スープ、柔らかい煮物、ヨーグルト等、ほとんど噛まないで済む食べ物は関節と筋肉に負担をかけず、回復を助けます。
    あごのリラックス 気をつけていれば日中にくいしばっていることに気づくようになります。気がついたら、あごの力を抜き、いつも上下の歯を離すようにしましょう。噛みしめは歯や顎関節、筋に大きな負担となり、痛みの原因になるからです。
    大きく口を開けない あくびをする時には、筋肉や関節の靭帯は通常以上に引き伸ばされるので、組織が断裂したり、傷を負ったりします。
    また、食事中や会話時も大きく口を開くことは避けてください。
    マッサージ 緊張している筋を自分でマッサージすることも効果的です。
    温シップの後や入浴後にマッサージを行うことは筋のリラクゼーションに有効です。また、血行が良くなり痛みが軽減します。
    良い姿勢を保つ 姿勢が悪いとアゴの位置がずれていきます。猫背の姿勢は顔に対してアゴが奥に入り、開けにくくなります。また、肩こりや頭痛の原因にもなりますので、良い姿勢でいる癖を身につけましょう。
    就寝時の姿勢 寝ている間の姿勢も大切です。仰向けに寝ることができない人は意外に多いのですが、仰向けは顔やアゴ・首の筋肉をよりリラックスさせます。また高すぎる枕は、歯のくいしばりや後頭部の筋を疲労させる原因になります。適切な高さの枕を選びましょう。
    開口練習 症状に応じ、担当医の指示に従って開口練習をします。
    アゴの運動を1日に何回か行うことも、アゴの筋肉を鍛え、バランスを整えます。この運動は関節や筋の痛みが和らいでから始めます。

医院での治療以外にも、セルフケアが大事であります。顎関節症でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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