2023.10.17
コラム子どもの強い歯を作っていくために Part5
こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。
これまで何回かにかけて、子どもの歯と口の健康についてお話ししています。
皆さんは、お子さんの口の中や食べ方をどれくらいチェックしていますか?
また歯磨きをチェックするだけでなく、しっかり噛めているかも気にしていますでしょうか。
食べ物を噛んで食べるという生きる上で欠かさない基礎を学んでいき、その子の味覚も腸内細菌も決まっていくのも乳幼児期です。
この時期に、保護者が子どもの歯とともに、口の健康のために良い食生活をしていき、管理してあげることは、その子の一生の健康を左右することでとても大切です。
歯のコラムをご覧になっていただき、お子さんと一緒に歯の大切さを学んで、一緒になって歯と口の健康づくりに取り組んで、子どもの歯と口を守ってあげてください。
目次(前回まで)
2.フッ素について
目次
乳幼児、児童への歯磨き講座 〜年齢別〜
年齢別に歯磨きの仕方をご紹介していきます。
よちよち歩きの時に、歯ブラシを持って遊ばせていて、怪我をしてしまう子が意外と多く、危険ですから注意しましょう。
1歳頃からお母さんが軽く歯磨きをしてあげても良いのですが、嫌がるのを無理にする必要はありません。
子どもが自分で歯ブラシを使うのは2歳頃からで良いでしょう。
前歯が生えてきた(6、7ヶ月ごろ)
ガーゼで慣らしてから、徐々に歯ブラシを導入しましょう。
通常は下の前歯から生えてきます。この頃は唾液の分泌が盛んになるので、食べたカスなどが唾液で洗われて、汚れがつきにくい状態です。
授乳後など濡らしたガーゼや綿棒で端を拭いてあげます。歯ブラシに慣れさせるため、おしゃぶりを使ったり、嫌がらなければ歯ブラシを軽く歯に当ててみます。
上下の前歯が揃ったら(1歳ごろ)
無理をせず、歯ブラシに慣らすように。
上の前歯は、唾液では汚れが落ちにくくなります。ぶくぶくうがいをさせ、歯ブラシを使って磨く習慣をつけます。
ポイントは、歯の表面をくまなく磨きます。
特に上の前歯の歯と歯茎の境目は虫歯になりやすいので、唇をあいた方の手で押さえて歯磨きをしましょう。
奥歯が生えてきた(1歳6ヶ月ごろ)
仕上げ磨きをしっかりとしましょう。
奥歯が生えてきたら食べられるものも増えて、おやつなどでの虫歯もできやすくなります。いよいよ虫歯対策が重要になる頃です。
大人が仕上げの寝かせ磨きを行います。こうすると口の中の様子がよく見え磨き残しもなくなり、子供とのスキンシップも測れ、子供も安心して歯磨きを受けられます。
乳歯が生え揃った(3歳ごろ)
自分で磨く練習をしてみましょう。
乳歯が20本、生えそろったら、自分で磨く練習をさせます。
唇を横に広げて「イー」と前歯を噛み合わせてた状態で、前歯の外側を磨きます。
口をあんぐりと上下に大きく開けて下の奥歯の噛み合わせ面、溝、裏側、上の奥歯の噛み合わせ面、溝、裏側へ、そのまま続いて、前歯の裏側へ歯磨きをしていきます。
またもとに戻って、「イー」と前歯を噛み合わせた状態で、奥歯の外側を磨きましょう。可能であれば、糸ようじもいやデンタルフロスを使って歯と歯の隙間をケアしていきましょう。
子供が磨き終わったら、歯が磨けているかどうか口の中の状態をチェックしてみてください。もう一度の仕上げ磨きを忘れずに。
永久歯が生えてきた(6歳ごろ)
6歳臼歯は1本を集中的に磨いて。
最初に大人の歯として生えてくる6歳臼歯は、乳歯の奥から生えてきて、その上背も低いので、生え始めを見逃しやすいのです。
乳歯の奥の歯肉の変化を注意して、チェックしていきましょう。
磨き方は、乳歯の奥歯を飛び越えて横から歯ブラシを入れて毛先でゴシゴシを磨きます。
子どもに向けたブラッシング方法
スクラビング法
歯に対して、垂直(裏側は斜め)に歯ブラシを当てて小刻みに動かす方法です。
フォーンズ法
小さい円を描くように磨きましょう。
※6歳前の子供は、あまり歯ブラシの方法にはとらわれず、箒でゴミを掃き出すように磨けばオッケーです。
子どもの歯ブラシ、歯磨き剤の選び方
歯ブラシ
歯ブラシはヘッドが小さく、毛先が短めで弾力のあるものを選びましょう。グリップはまっすぐで握りやすく、口の中で動かしやすいものが良いでしょう。
また、キャラクターの歯ブラシなど子どもたちののモチベーションが上がるものや、子供が自分で選ぶ歯ブラシを使うのもお勧めです。
歯磨き剤
※参考文献:4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法
一般社団法人 日本口腔衛生学会 公益社団法人 日本小児歯科学会 特定非営利活 動法人 日本歯科保存学会 一般社団法人 日本老年歯科医学会
歯磨き剤はつけるのであれば、可能ならフッ素入りを選びましょう。ただし、歯磨き粉の付けすぎには注意してください。目を離すと飲み込んでしまうこともあるので気をつけましょう。
う蝕予防のフッ化物応用は 75 年以上の歴史で安全性と有効性が繰り返し確認されており、中でもフッ化物配合歯磨剤は日本で広く普及しております。
乳歯が生え始めたら、ガーゼやコットンを使っておロのケアの練習を始めるのが望ましいとされ、歯ブラシに慣れてきたら、歯ブラシを用いた保護者による歯みがきを開始してください。
子どもが誤って歯磨剤のチューブごと食べるなど大量に飲み込まないように注意が必要なので、保管場所等にはお気をつけください。
デンタルフロス・糸ようじ
歯と歯の間がぴったり詰まってきたら、デンタルフロスを使います。ゆっくりノコギリを引くように後間に入れて隙間の汚れを取ります。
弓型のデンタルフロスも使いやすい場合がありますので、ぜひ試してみてください。
次回のコラムでは、当院における母子分離推奨についてお話ししていきます。
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