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2024.01.30

コラム

歯を抜かないのが良い歯医者の条件か?

歯医者 説明

こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。
定期的に、このコラムにてインプラント治療に疑問ついてお話しします。

「こんなお悩みはありませんか?」
・ インプラントってなに?
・ いくらくらいかかるの?
・ 誰でも受けられる治療なの?
・ 痛くないの?
・ 体・骨に入れ込むものなので不安がある
・ 入れ歯が痛い 入れ歯に悩んでいる
・歯が抜けて困っている、食事が上手く噛めずに困る
・他の歯医者さんで抜歯を勧められた
・他の歯医者さんで難しい症例なので断られてしまった、
・インプラントをしたいけども、どこで治療を受ければいいのか?どの歯医者さんでも対応しているのか?
などの疑問が出てくるかと思います。大切なご自身の歯をつくっていく治療だからこそ、安心・安全に治療を受けるためには、経験・実績があり、また最先端の設備、リスクや費用をしっかりと説明いただける歯科医院でのインプラント治療をお勧めします。

当院でも、インプラント専門医が治療を担当しているため、なるべく詳しく、わかりやすい説明、“早く”“痛みのない”“長持ちする”インプラント治療ができるよう心がけております。
相談を受けたからと言って、治療を受けなければいけないわけではありません。
患者さんのインプラント治療についても疑問にお答えします。

今回はインプラントに限った話ではないですが、よく耳にする、「抜かない治療が正しいのか、歯を抜かないのが良い歯医者の条件か?」についてお話ししていきます。

目次

1.歯を抜かないのがよい歯医者の条件か

2.失った歯を「補う」ことの意味

歯を抜かないのがよい歯医者の条件か

抜歯

「この歯は、もう手のほどこしようがありません。残念ですが抜歯になります」と患者さんに伝えるのは、歯科医師として言いづらいことです。
よほど問題のある歯科医院(ごくわずかだと思いますが)でないかぎり、残せる可能性のある歯を抜くことはなく、まずは、むしろできるだけ患者さんの歯を残す努力をしてくださると思います。

しかし、現実的に残せない歯もあります。残したために他の歯や顎、また身体に悪影響がおよぶこともあるからです。

確かに歯を抜かないで済むのでしたら、それに越したことはありません。しかし、それは医学的に考えて、残した方が患者さんのお口の中の健康によいと判断された場合の話です。虫歯が進行しすぎて神経や周囲の歯に悪い影響を与えていたり、歯周病が進んでいたりしてアゴの骨を溶かしてしまう可能性のある歯を残すことは、決してするべきではないでしょう。

むしろ、抜かないことで、かえってさらに大変な目に遭ってしまうリスクを知っているからこそ、総合的に判断していく必要があります。

ですから、患者さんのオクチの中の健康を脅かす可能性がある場合には、残念なことですが、抜歯をしなければならない時もあるのです。

失った歯を「補う」ことの意味

歯 補う

私たち日本人の歯に対する意識は、先進国の中でも低い方だといわれています。
もちろんなかには、若いうちから歯周病予防に定期的に歯のクリーニングに通っていたり、80歳を過ぎても自分の歯がしっかりと残って噛めている方もおられます。しかし、予防や保存より削ることが優先されてきた過去の歯科事情を経験してきた中高年世代には、そういう方はほんのひと握りしかいません。

これらは患者さんが悪いわけでなく、今までの歯科的な教育であったり、保険制度のルールなど、様々な要因があるので、ただ過去を批判するつもりはありませんし、これからの未来に向けて、改善していければ良いと考えております。

人が歯を失う理由は様々

歯 失う

すすんだ虫歯でやむを得ず抜歯する場合、重度の歯周病で歯を失う場合、先天的な理由で永久歯が生えてこない場合、事故による怪我などで失う場合、などなど…。

歯科医院で、残すことが患者さんのためにならないと判断した歯は抜くことも多くありますが、大切なことは、抜いた後、そこをどうするかです。
中には「先生、見えない場所だから、このままでいいです」などという患者さんもいますが、失われた歯は「補う」必要があります

歯を抜くと反対側(咬み合わせる歯)の歯が咬み合う相手を探して伸びてきます。同様に抜けた歯の両隣の歯も、すき間ができたとたんに、まるでパートナーを探すかのように傾いていきます。

そうしている間に、徐々に歯並びが狂いはじめ、咬み合わせは最悪の状態になります。咳み合わせの悪化は全身の病気の原因にも繋がっていきます。
さらに歯を失うと、その歯を支えていたアゴの骨が退縮します。アゴの骨に噛む力と刺激が伝わらなくなると、アゴの管の役割がなくなり、自然に退化していくのです。

このように1本の歯の喪失は、周囲の歯ばかりか、その人の全身的な健康にまでさまざまな影響を及ぼします。
一本の歯を失ったきっかけで、負のスパイラルが始まってしまうのです。
前述したように、よく噛んでおいしく食事をすることは、人生の楽しみであるばかりか、美しく元気な毎日を過ごすQOLにも繋がっています。

さらには審美的な見た目にも大きく影響してきます。女性の方にとっては、歯のそろったフェイスラインがお化粧の決め手にもなるほどです。

口元が貧弱になってしまった患者さんを見るたびに、私には失われた歯が「補われ、以前のような豊かな口元を取り戻したい」と願っているように思えてなりません。

次回は〈失ってしまった歯を補う3つの方法〉からこのお話の続きをしていきます。

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この記事を書いた人

井ビシ歯科医院

井出 太一

日本歯科大学生命歯学部を卒業、現在は井ビシ歯科医院に務める。

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