2023.08.21
コラムドライマウス症候群
こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。新型コロナウイルス感染症が、第5類へ移行され、マスクを外して生活する日常が戻りつつあります。
しかし、マスク生活が長引き、口呼吸が促進され、結果口腔乾燥になってしまう方が多くいらっしゃいます。口の乾燥はむし歯や歯周病、口臭のリスクにも繋がります。前回の唾液についてに続いて、今回はドライマウス症候群についてお話しします。
目次
ドライマウス症候群
「ドライマウス症候群(口腔乾燥症)」は、その名の通り「口の中が乾燥してしまう」症状です。その程度は軽度から重度まで幅広く、軽度の場合、本人も気がつかないケースも多いと考えられます。
ドライマウスの主な症状
・口が湯く / のどが渇く / 口がネバネバする / パンなどの乾いたものが食べられない / 味覚がおかしい / 唇が渴く / 口の中が痛い / しゃべりづらい / よくせきこむ / 口臭が強くなる
ドライマウスの原因と考えられるもの
・シェーグレン症候群
自己免疫疾患の一つです。自分自身の免疫細胞が自身の唾液腺や涙腺などの外分泌腺を攻撃するため、それら唾液腺や涙腺が破壊されてしまう病気です。唾液や涙をつくる機能が低下するために口や目が乾燥します。
・更年期障害
更年期障害では、ほてり、のぼせが主な症状ですが、「口渇(のどの渇き)」を訴える人もいます。
・放射線治療
がんの治療で放射線治療を受けることがあります。のどや身などの頭頚部のがんに対して放射線治療を行った際に、照射された部分に唾液腺の組織が含まれていると、唾液腺が壊されて唾液の分泌が減ってしまうことがあります。
・薬の副作用
花粉症の薬や高血圧の薬/抗圧剤などの一部の薬には唾液を分泌するのを抑える「副作用」があるものがあります。
このほか、「唾液腺の老化」「アゴや顔の筋肉の低下」「内科的疾患(糖尿病・腎臓病・肝臓病など)によるもの」さらにはストレスや緊張、不安を感じるなど精神的な原因で唾液が少なくなることもあります。
「口が乾燥する」と感じたら、受診してみましょう。
唾液の分泌を促すには
私たちの健康に欠かすことができない「唾液」。たくさん出すにはさまざまな方法があります。
食事をする
食べ物の味・香り、食事を咀嚼するなど口腔機能が活発になることで、唾液は分泌されます。梅干しやレモンの味や香りを想像してみてください。口の中はどうなりましたか?
リラックスする
緊張しているとき、気持ちを落ち着けるために、頻繁に飲み物を飲んだりしたことはありませんか?自律神経の働きにより、緊張すると唾液分心が減り、リラックス状態のときは液が出やすくなります。
唾液腺マッサージを行う
看護・介護でよく行なわれる唾液腺マッサージは「3大睡液腺」と呼ばれる「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」を刺激するもので、唾液の分泌がよくなるといわれています。
ガムなどの食品を利用する
ガムを噛むのは唾液分泌に有効な方法です。食事をすると唾液が出るのと、ほぼ同じ原理になります。
また、ガムは甘味があるものが多いですが、甘味は唾液の分泌を促進します。ただし、多くの甘味料はむし歯の原因となるので、なるベくキシリトールやリカルデントなど、むし歯の原因にならない甘味料配合のガムがよいでしょう。
ガム以外にも唾液促進のデンタルケア用品が市販されています。
山梨県富士河口湖町の総合歯科医院
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矯正歯科 インプラント治療