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2023.06.05

コラム

むし歯と歯周病について

こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。

丈夫で健康的な歯は、ご自身にとってかけがえのない財産であり、失ってわかることもある大切なものです。歯は一本100万以上の価値があるとも言われており、それをキープできなければ、健康な歯の価値を失っていくとともに、さらに治療費がかかっていきます。

歯や歯ぐきの健康を保つためには、正しい口腔ケアの知識を持って、日々の自分自身の自分自身の口腔衛生管理をしていくことが重要です。
いつまでも、一生涯、自分の歯で、美味しいものを、食べ続けていくために、今回のコラムを参考にしてください。

次回のコラム:むし歯や歯周病の対策はこちら

目次

1.歯は全身の健康の要

2.むし歯の予防はむし歯を知るところから

3.歯肉炎・歯周病は症状なく進行

歯は全身の健康の要

歯 健康

「いつも身体の調子が良くない」という人の中には、むし歯や歯周病があったり、かみ合わせが悪かったりすることがよくあります。
以前から統計的に、アルツハイマー型痴呆症の患者のうち、70%以上が、自分の歯をほとんど持っていないということが報告されています。

また、歯周病と生活習慣病(特に糖尿病)との関連性はすでに科学的に証明されております。
食べものがきちんと噛めないということは、健康維持に必要な食物を、第一関門で拒絶してしまうことになります。

歯の健康と全身の健康は、切っても切れない関係にあるのです。
歯の病気やその予防法について知ることが、いつまでも自分の歯でおいしく食べ続けるために一番大切なことです。

むし歯の予防はむし歯を知るところから

むし歯菌の正体と、むし歯になってしまう理由

井ビシ歯科医院 むし歯

むし歯の直接の原因となるのは、ミュータンス菌という細菌です。
ミュータンス菌は糖分と結びつくと、粘着性の物質「グルカン」と「乳酸」をつくります。
グルカンは歯の表面に歯垢(プラーク)を付着させ、ミュータンス菌の住み家を作ります。それと同時に、乳酸が歯を溶かし始めるため、むし歯になってしまうのです。

むし歯は一度発生・発症すると、自然治癒したり、進行が止まることはなく、必ず進行していき、終いには歯は溶けてなくなってしまいます。
痛み始めたむし歯は、すでにある程度進行しています。痛くないからむし歯はないと思い込むのは禁物です。

むし歯がないのに歯が痛む?「知覚過敏」(前回の歯のコラム参照)

知覚過敏

何らかの原因で、エナメル質がカバーしていない部分がむき出しになると、ちょっとした刺激で、歯がしみたり痛んだりすることがあります。これが「知覚過敏」です。

知覚過敏の原因には、歯周病(歯槽濃漏)や、硬い歯ブラシで力を入れて歯を磨いたために歯の根に近い部分がすり減ったり、かみ合わせが悪い場合などに多いのですが、いずれにしてもその原因を取り除かなければ治らないので、早めに治療するようにしましょう。

前々回のコラム「歯の知覚過敏について Part1

前回のコラム「歯の知覚過敏について Part2

歯肉炎・歯周病は症状なく進行

最初は小さな汚れから・・・

歯 汚れ

歯と歯の間には小さなすき間があり、そこに細菌が侵入して歯肉が炎症を起こすことが歯肉炎の始まりです。
歯肉炎は、すべての歯で一斉に始まるわけではなく、ほとんどは歯と歯の間などの歯ブラシが届きにくく、汚れのたまりやすい場所から始まって、徐々に全体へと拡がっていきます。

歯ぐきから血が出ませんか?

炎症を起こして、やわらかくなった歯ぐきは赤く腫れ、リンゴをかじったり、歯を磨いたりすると出血します。

日本の成人の8割は歯周病と言われており、歯周組織の健康な人の割合の方が少ないといわれており、少しでも「歯ぐきから血が出たな」と思ったら、注意が必要です。

歯肉炎から歯槽膿漏に

歯肉炎のうちに治療ができれば、炎症を一時的に止めることができるのですが、歯肉炎には自覚症状がなく、素人が見てわかるような変化もありません。

放置しておかれた歯肉炎は、次第に歯ぐきの内部を侵し始め、やがて歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまいます。
これを「歯周病(歯槽膿漏)」といい、歯槽からは膿が漏れ、常に口臭がするようになってしまいます。しまいにはグラグラと揺れて、抜け落ちてしまいます。

【歯周病の進行】

  1. 歯肉に炎症。歯垢がたまり、炎症が内部に広がる。
  2. 歯を支える歯槽骨に炎症が及ぶ。ポケットが深くなる。
  3. 歯がぐらついて、血や膿が出る。

初期の段階で、歯周病を退治しましょう

歯 治療

歯周病も初期の段階では、歯肉のマッサージを含めた丁寧な歯磨きで大体炎症は落ち着いてきます。
重度の歯周病まで進む前に、歯科医師や歯科衛生士の指示に従って毎日きちんとブラッシングしていれば、歯周病も怖くはありません。

しかし、歯周病は完治が難しい病気です。破壊された歯槽骨はもとに戻ることがないため、予防が大事なのです。

注意!!こんな生活は歯周病になりやすい・進行しやすい

【生活習慣病】
糖尿病、心臓病、動脈硬化などは、歯の健康も損なってしまいます。
【偏食】
体の健康を保つのに必要な栄養素がなければ、歯も健康でいられません。
【アルコール】
直接、悪さはしませんが、酔って歯を磨かない、酒で体をこわす、などは、歯にも悪影響です。
【タバコ】
口の中の粘膜を痛め、歯肉への血行を悪化させます。ヘビースモーカーは歯周病になりやすく、治りにくいのです。

お口のニオイは気になりますか?

口臭の原因には内科的なものもありますが、その八割以上は、やはり口の中が不健康・不衛生になることに原因があります。
第一の原因がむし歯や歯周病で、これらがひどくなると、歯周組織が膿を持ち、やがて口の中にまで出てきた臓が悪臭を発するようになるのです。

また、歯の磨き方が足りなかったりすると、歯の表面に溜まった歯垢や、口中に残った食べ物のかすなどが悪臭を発することもあります。

次回は補助的清掃器具についてお話していきます。

次回のコラム:「むし歯や歯周病の対策」はこちら

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この記事を書いた人

井ビシ歯科医院

井出 太一

日本歯科大学生命歯学部を卒業、現在は井ビシ歯科医院に務める。

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