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2023.05.23

コラム

歯の知覚過敏について Part1

こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。
今回と次回にかけて歯の知覚過敏についてお話ししていきます。

次回「歯の知覚過敏について Part2」はこちら

目次

1.知覚過敏とは?

2.知覚過敏の仕組み ~なぜしみるのか~

3.なぜ、露出してしまうのか?

4.歯のどこが削れているのか?

知覚過敏とは?

知覚過敏

「知覚過敏」とは、正しくは「象牙質知覚過敏」といい、冷たい飲み物を口に含んだときにしみる症状をいいます。
他にも、歯磨きの際に一時的に歯がヒヤッと痛んだり、熱い飲み物がしみるというのも知覚過敏の症状です。

その原因として、歯の表面が削れていたり、歯根が露出することでしみやすくなりますが、露出したからといって必ず知覚過敏の症状が表れる訳ではありません。
唾液中のカルシウムや歯髄の働きによって痛みを感じないことや軽減されることもあります。

治療をせずに放っておくと、症状が悪化し痛みが続くようになり、歯髄炎という病気になることもあります。

知覚過敏の仕組み ~なぜしみるのか~

知覚過敏2

歯の表面

歯の表面は、エナメル質と呼ばれる、人体の中でも最も硬い組織で覆われています。そして、エナメル質の下には象牙質があります。
象牙質はエナメル質よりやわらかい物質で、象牙質の中には象牙細管という細い管が放射線状に歯の神経(歯髄)に向かって広がっています。

様々な刺激は、象牙細管を通って神経に伝わり、脳に情報を送ります。エナメル質が削れて象牙質が露出した状態では、刺激が直接伝わり痛みを感じます。

歯根部分

歯根の象牙質は、エナメル質よりもやわらかいセメント質で覆われており、歯根部分が露出した場合、セメント質は欠けやすいために刺激を受けやすく、しみたり痛むようになります。

歯の表面が削れたり歯根が露出することにより刺激を感じやすくなります。

なぜ、露出してしまうのか?

歯 露出

では、なぜ歯の表面が削れたり歯根が露出するようになってしまうのでしょうか。

知覚過敏はブラッシング不良(カを入れ過ぎた歯磨きなど)や、虫歯や歯周病など色々な原因が考えられます。歯磨き剤には研磨剤が含まれており、力を入れ過ぎた歯磨きをしたときに、歯のエナメル質が削れてしまったり、歯肉を傷つけ知覚過敏になることもあります。
また、歯垢によりエナメル質が損なわれ歯根が露出すると、刺激が伝わりやすくなります。

その中でも最も考えられる要因としては、歯ぎしりや食いしばり、不正咬合による、歯の力(咬合性外傷も含む)のストレスによるものです。

歯肉が下がる原因

・歯周病
細菌が原因で炎症をおこし歯肉が減る。
・噛み合わせ
歯に必要以上に力が強くかかることで起こる。
・間違ったブラッシング
力を入れ過ぎて歯と歯肉の境目を磨くことにより、歯・歯肉削られてしまう。
・ 老化現象

象牙質が露出する原因は

・歯肉の退縮
歯周病が進行したり、不適切なブラッシングによって歯ぐきがやせてしまうと歯の歯根部分が露出します。その歯根部分で象質が露出していたり、表面のセメント質がはがれて象牙質が露出するとしみます。
・象牙質やセメント質の損失
露出した歯根面のセメント質や象質は、強いブラッシングにより磨耗したり、噛み合わせが悪く歯に負担がかかったときに歯根表面のセメント質がはがれていきます。その時に象質が刺激され、歯がしみます。
・象牙質が露出しているからといって、必ずしもしみるわけではありません。
・通常は、再石灰化などによりふさいでくれますが、象牙質上にプラークが付着していると、プラーク中の細菌代謝物が象牙細管を通じて歯髄を刺激したり、再石灰化を阻害します。

歯のどこが削れているのか?

歯 削れ 確認

根元が削れる歯の場所はさまざまで、前歯だけであったり、奥歯だけであったりします。1本だけ削れたようになるのではなく、数本にわたり同じように削れていることがほとんどです。

確認方法

・指の爪で歯の根元の方から歯の頭の方向になぞります。削れてきている場合は、根元近くで爪が引っ掛かります。
・正常な場合は、歯の根元から頭の部分まで引っ掛かることなくスムーズになぞることが出来ます。
歯の根元に段差が出来ても、その時点で症状がなければ問題になるわけではありませんが、次のような症状が現れることがあります。

症状

・水がしみる
根元の段差が大きくなると、象牙質が露出して、水などがしみるようになり知覚過敏のような症状になります。
・被せ物の根元に段差が出来る
歯を抜せてある場合でも、彼せ物と歯肉の境目が削れて段差になり審美的な問題になることがあります。
・ブラッシング時の痛み
プラッシング時に歯ブラシが当たると、歯がしみたり、痛みが出たりすることがあります。
・時間と共に段差は大きくなる
歯の外側の硬いエナメル質は非常に薄いので、内部の柔らかな象牙質に達すると、段差がどんどん大きくなっていきます。

※最近では、歯の根元が段差になるのは、硬い歯ブラシを使い、研磨剤入りの歯磨き剤で磨くからだけではなく、噛み合せの時に発生する力(ストレス)が根元に集中するために、歯の根元が削れたようになるといった考え方が一般的になってきています。

次回もこの続きをお話していきます。

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この記事を書いた人

井ビシ歯科医院

井出 太一

日本歯科大学生命歯学部を卒業、現在は井ビシ歯科医院に務める。

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