2023.02.20
コラム「顎関節症」について Part 1
こんにちは。山梨県富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院です。
本日は「顎関節症」について、お話いたします。
次回のコラム:「顎関節症」について Part 2はこちら
1. 顎関節症ってどんな疾患・病気?
口を開けたり、閉じたるするための関節に痛みを生じたり、口を開閉するときに音が鳴ったり、口を開けられなくなったりするなどの症状を総称とした疾患名です。
① 顎関節症の三大症状と顎関節症が原因の関連症状顎関節の痛み
口を開けたり、ものを噛むときに耳の前方部が痛みます。
② 開口不全
口が開きにくい
③ 顎関節雑音
顎の関節かカクカクと音がする
関連する症状として
頭痛/首や肩の痛みやコリ/めまい/顎や顔の歪み/飲み込みづらい/噛み合わせのズレ/難聴/話しづらい/耳鳴り・耳痛/不眠症・睡眠障害
これらの症状は顎関節症以外の病気が原因でも起こります。異常を感じたら病院にて診断を受けるか、我々の連携病院に紹介します。
2. 顎関節症の原因
顎関節症の原因はひとつではありません。顎の関節や筋肉に無理な力が加わり続けるなどしたときに発症します。
稀にですが、顎関節の形態に異常があったり、顎関節腫瘍が原因のことがあります。
① くいしばり・歯ぎしり
顎の周辺や下顎に無理な強い力が加わり、関節や周囲の筋肉を痛めます。歯ぎしりをしていても、ギリギリといった音がしないことも多く気づきづらいのですが、実は多くの人が歯ぎしりをしています。また「くいしばり」は眠りが浅い時や日中に無意識にしていることもあります。歯ぎしりをしている人の中で、ギリギリなど音がなる人は4割とも言われています。
② 歯列接触癖(TCH)
Tooth Contacting Habit = TCH と略します。
上下の歯を、持続的に接触している状態の癖のことです。人は何もしていないときは上下の歯は接触していない状態が平常です。唇が閉じて口がしまっていても上下の歯は触れていないのです。しかし考え事や作業中、上下の歯が接触したままになっていないでしょうか。
この場合、顎の関節の周辺が常に緊張した状態にあり、ダメージが蓄積されてしまいます。
・片側で噛む癖/頬づえや姿勢などの癖
・噛み合わせの悪さ/不適合な冠(クラウン)や入れ歯
・精神的なストレス
精神的、心因的なストレス、憂鬱、不安などが関与しているとも言われます。
噛むための筋肉がイライラや不安などのストレスが原因で緊張状態になり、顎関節に負担がかかります。
③ その他
スポーツや事故などによって、顎を強打したり、異常に硬い食べ物を強い力で噛んでしまった時など。
また顎関節症になりやすい病気として、次のようなものが挙げられます。
リウマチ/耳下腺炎/多発性関節炎/筋線維症/うつ病/不眠症 など
3. 顎関節症の種類
①筋肉の障害により起こるタイプ
下顎を動かしている筋肉や首、肩の筋肉の痛み・不快感を感じます。
②関節内部の障害により起こるタイプ
顎関節の内部で捻挫したような状態が生じていたり、クッションである関節円板がズレるなどしています。
③骨の変形により起こるタイプ
主に下アゴが変形し、周囲の炎症をともなって痛みや雑音を生じます。
様々な原因にて引き起こされる顎関節症は、一度発症すると難治性であることも多くあります。それは症状が出るまで、顎関節にダメージが蓄積されており、治療を開始したからといって、すぐに治るわけではないのです。
顎がカクカク鳴るなどの症状は、痛みがないままずっと続く方も多くいます。症状をコントロールしながら付き合っていくような場合もありますので、わからないことがあれば、ぜひご相談ください。
次回は、「顎関節症」の<顎関節症の治療>についてお話しする予定です。
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