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2023.04.24

コラム

口腔がん検診や口腔細胞診

こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。

皆さんは、お口の中にも、がん(癌)ができることをご存知でしょうか?口の中にがんができることをご存知ない方も多くいらっしゃるかと思います。

当院では、院長をはじめ、口腔外科にて口腔がんの治療経験が多数ある歯科医師が複数在籍し、初期のチェック・スクリーニング検査、口腔がん検診から、高度医療機関(口腔外科・頭頸部外科)への紹介を含め、素早く対応しております。

前回までのブログにて口腔がんについての概要についてお話ししておりましたが、今回は当院における口腔がんのチェック、スクリーニング検査、また口腔がん検診やその後の医療連携についてお話しさせていただきます。

前回のコラム:「口腔がん」についてはこちら

前々回のコラム:口の中にもガンができること、ご存知ですか?はこちら

1. 口腔がん検診や口腔細胞診について

当院では口腔がん検診やチェックを随時行っており異常所見を見つけた場合にはすぐに検査を行います。またご希望に応じては保険外診療(自費診療)でスクリーニング検査を受けていただくことも可能です。

スクリーニング検査として、婦人科などで代表される細胞診検査というものを行っております。口腔にできる腫瘍は、良性・悪性含め、我々歯科医師が目で見て確認することができることがほとんどですが、境界病変(腫瘍性疾患なのか炎症性疾患なのか区別が難しい疾患)も存在します。そのような境界病変、疑わしい病変に対しては、表面の細胞を拭い病変を採取し、連携している細胞診専門医・指導医が診断を行なっております。

*井ビシ歯科医院では、関東厚生局より、医療法人長崎病理との医療連携(保険医療機関間の連携による病理・細胞診断)の認可を受けております。これにより保健適応にて様々な検査を受けていただくことが可能です。

診断まではおおよそ10日程度で結果をご報告することができます。高度医療機関への紹介を急ぐ場合などは、1週間以内で検査結果をお伝えし、命のためにもすぐに対応しております。

★ 細胞診のメリット ★

① 侵襲がなく痛みもなく行える検査

② がんの危険性がある細胞があるかどうかを、素早く判別することができる。

★ 細胞診の注意事項 ★

細胞診検査は、病変に対する確定診断でないため、ガンが疑わしい病変なのか、ある程度経過観察が必要なものなのか、という判別基準に用いております。

確定診断のためには、病理組織検査が必要です。組織を一部切って、その検体を診断することで初めて確定的な病名がつきます。これらの検査は基本的に大きい病院(高度医療機関)で行うものです。手術をする担当医、もしくは担当の診療科よって行うことが望ましく、もし悪性腫瘍を疑う場合においては、1歯科医院単位で、組織検査を行う事は望ましいことではございません。なぜなら病理組織検査は、組織を一部切り取る処置になりますので、悪性腫瘍である場合は、がんの進行を助長したり、手術前に行う検査(PET検査、造影CT検査、造影MRI検査)などの諸検査に影響を及ぼすことがございます。

よってがんを疑われる場合に関しては、当院では組織病理検査を行う事はなく、侵襲がない細胞診行うことで、大きな病院への紹介が早急に必要なのかどうかを判断しております。

口腔がんは進行した状態では非常に治療が難しくなります。また5年生存率も悪化してしまいます。当院では口腔がん検診も随時行なっております。当院では口腔がんの好発部位の舌や口腔内を視診・触診・細胞診などでスクリーニング検査しております。

舌(ベロ)をガーゼで引っ張り、舌癌の好発部位である舌縁部(舌の側面部)をチェックしております。疑わしい所見があった場合は、頸部リンパ節(免疫の関所になるような首周り)の診察をします。必要に応じて細胞診を行い、検査結果は1週間から10日ほどでお伝えし、その後の対応は院長・担当医から詳しくご説明します。

2. 口腔がんの医療連携

医療法人長崎病理

日本歯科大学 放射線・病理診断科

山梨赤十字病院 歯科口腔外科

東京西徳州会病院 口腔センター(歯科口腔外科)

検査から治療については上記医療機関と密に連携治療を行なっております。

次回は、「歯科とタバコの関係について」です。口腔がんのリスクファクター(危険因子)でもある、喫煙・タバコですが、それ以外にも口臭や歯周病に関しても決して良いものではございません。詳しく説明する予定です。

繰り返しになりますが、

・口腔がんは痛み(疼痛)を伴わない場合があります。

・口の中に2週間以上たっても治らない口内炎があれば口腔外科を標榜する歯科医院、また大きい病院の歯科口腔外科、頭頸部外科を受診しましょう。

・治していない虫歯や歯周病、合わない入れ歯を使い続けることは、がんのリスクになります。不適合なもの被せ物、冠、義歯など機械的刺激は口腔がんのリスク因子ですので、早いうちに治しましょう。

参考文献;
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
島根大学医学部歯科口腔外科学講座 口腔がん疫学データ
著者写真

この記事を書いた人

井ビシ歯科医院

井出 太一

日本歯科大学生命歯学部を卒業、現在は井ビシ歯科医院に務める。

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