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2023.04.17

コラム

「口腔がん」について

こんにちは。山梨県南都留郡富士河口湖町の歯医者、井ビシ歯科医院(いびし)です。

皆さんは、お口の中にも、がん(癌)ができることをご存知でしょうか。前回から、口腔がんについてお話しております。

前回のコラム:口の中にもガンができること、ご存知ですか?はこちら

口の中にがんができることをご存知ない方も多くいらっしゃるかと思います。

当院では、院長をはじめ、口腔外科にて口腔がんの治療経験が多数ある歯科医師が複数在籍し、初期のチェック・スクリーニング検査、口腔がん検診から、高度医療機関(口腔外科・頭頸部外科)への紹介を含め、素早く対応しております。

「ただの口内炎かと思っていたら、がんだった、、、」そのような方も多くおり、当院でも年間、何件も早期発見している状態です。

しかし、進行した口腔がんの場合、見た目や機能(お話する、食べる)などの低下が著しく、治療が順調にいかず、命に関わることも多くあります。

残念ながら、口腔がんにてお亡くなりになる方も、日本で年間7000人以上おられます。今回は口腔がんの治療についてご説明します。

次回のコラム:口腔がん検診や口腔細胞診はこちら

1. 口腔がんの治療

口腔癌(がん)の治療は基本的には手術が第一選択となります。主に治療する診療科は、口腔外科、頭頸部外科、耳鼻咽喉科が専門です。

進行度やがんの種類によっては、放射線治療科、腫瘍血液内科などが担当することもあり、大きな病院において、連携治療が必要になってきます。また、NST(Nutrition Support Team)といって、入院中の最善最良の栄養管理・栄養療法を提供するための多職種で構成された医療チームが介入することもあります。

また、術後の発音障害や摂食・嚥下障害のリハビリのために、リハビリテーション科や言語聴覚士が担当して、多職種・医療チームとして治療に当たります。

がんの種類や進行度、罹患された患者さんの背景(年齢など)によって治療法が決まっていきますが、手術以外にも放射線療法、化学療法(分子標的治療薬を含む)、免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)などが選択されたり、またこれらの治療の組み合わせで、入院治療していくことがほどんどです。

他のがんに比べて、放射線療法単独、化学療法単独で、口腔がんを治癒させることは難しいとされておりますので、第一選択としては外科的療法(手術)で切ってとるものとご存知いただければと思います。

少し話は変わりますが、がんの治療において、「標準治療」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

「標準治療」って?

がんの治療は、年々技術の進歩や医学研究の成果とともに変化してきます。現時点で得られている科学的な根拠に基づいた最もよい治療のことを「標準治療」と呼びます。標準治療は、手術、薬物療法、放射線治療をそれぞれ単独で、あるいはいくつかを組みあわせた方法で行われます。

ほとんどの種類のがんにおいて、手術、薬物療法、放射線治療以外の方法(代替療法[健康食品やサプリメント]など]は、科学的に有効性が確認されていません。

多くの場合は「標準治療」を受けることが、最もよい選択です。

2. 早期発見・早期治療の重要性

ガン(癌)の治療においては、どの部位のどんな種類のがんにおいても言えることですが、命のために、気づいて治療するのが早いに良いに越したことはありません。

口腔がんの場合は、5年生存率は60-80%と言われており、初期症状のうちに治療することで、侵襲や後遺症も少なくさらに5年生存率が高くなると言われております。

口腔がんについて、地域・患者さん、全国のそれぞれの歯科医院としても正しく理解し、治療へつなげることができれば、口腔がんの死亡率も低下していくことでしょう。進行癌においては、口腔機能の著しい低下を伴い、見た目にも大きく影響してしまいます。

口腔は、自分ではよく見えませんが、専門の歯科医師による診察によって、緊急性があるのか否かはすぐに判別ができます。異常を感じたらすぐにご相談ください。

次回も口腔がんについて、特に当院での口腔がん検診・細胞診について説明します。

繰り返しになりますが、

・口の中に2週間以上なおらない口内炎があれば口腔外科を標榜する歯科医院、また病院の歯科口腔外科,頭頸部外科を受診しましょう。

・治していない虫歯や歯周病、合わない入れ歯を使い続けることは、がんのリスクになります。不適合なもの被せ物、冠、義歯など機械的刺激は口腔がんのリスク因子ですので、早いうちに治しましょう。

参考文献;
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
島根大学口腔外科疫学データ
日本口腔腫瘍学会、日本口腔外科学会編:科学的根拠に基づく口腔癌診療ガイドライン2013年度版より
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この記事を書いた人

井ビシ歯科医院

井出 太一

日本歯科大学生命歯学部を卒業、現在は井ビシ歯科医院に務める。

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